NVIDIA 量子コンピュータシュミレータ

blueqat 湊さんの「NVIDIA社の最新量子コンピュータシュミレータとGPUの活用について解説」を簡単にまとめてみました。


cuQuantumは、NVIDIAのGPUを使った量子コンピュータシミュレーション用のSDKです。

従来のシュミレータは、量子コンピュータの動作、つまり状態ベクトルをシミュレーションするものでした。このタイプでシミュレーションできるのは、50量子ビットがせいぜいと言われています。cuQuantumは、GPUを使った従来型の状態ベクトルトルシュミレータであるcuStateVec と、テンソルネットワークの計算をおこなうcuTensorNetの二つを包含したものです。cuStateVecは、GPUを使うことによって、高速化されています。GPUを複数枚つかうことによって、さらに加速ができるようになりました。

状態ベクトルシュミレータが得意なのは、FTQCと呼ばれるエラー訂正ありの量子コンピュータ用の金融や量子化学計算にもちいられる量子位相推定、量子振幅推定、量子フーリエ変換などのアプリケーションです。

状態ベクトルシュミレータは、時間ごとに状態ベクトルの計算を行うのに対して、テンソルネットワークシミュレータは、量子回路をテンソルネットワークという形で表現して、計算量を削減するものです。組み合わせ最適化問題や量子機械に向いています。量子古典ハイブリッドアルゴリズムに必要な期待値計算やサンプリングとよばれる計算を行います。NVIDIAでは、従来の状態ベクトルシミュレータでは,10ノード、20ノードしかできなかったMAXCUT問題を3500ノードで解いています。