量子コンピュータ:事実とフィクション by William Hurley氏、StrangeWorksのCEO

William Hurley氏、Q2B Tokyoで講演するStrangeWorksのCEO

題目は

日本語訳が悪いけど、量子コンピュータの事実とフィクション

Strangeworks社とは

Strangeworks delivers non-traditional compute technologies, like quantum computing, into your computational scientists, subject matter experts, and innovation teams existing workflows to solve your organizations most complex research and development challenges.

Strangeworksは、量子コンピューティングなどの非伝統的なコンピューティングテクノロジーを、計算科学者、主題の専門家、イノベーションチームに既存のワークフローを提供して、組織の最も複雑な研究開発の課題を解決します。(翻訳 by Google Translate)

QCの事実とフィクションに関しては、Qunasys社が運営するQmediaの記事に見つけることができる。「量子コンピューターの “よくある誤解” Top10」がその記事だ。 Hurley氏の項目とQmediaのものとを比較して、更に一般に信じられていることと現状を比較してみる。

QmediaのQCの誤解10傑

Qunasys(左)がQmedia(右、@Qmedia_jp)を運営

まず、Qmediaのトップ 10 を表で示す。

誤解誤解の理由(筆者が要約)
1QCが高速なのは、重ね合わせを利用して超並列計算できるためそれだけでは駄目で更なる工夫が必要。
2QCはどんな計算でも古典コンピュータより高速計算できる。特定の問題に関してだけは、高速。
3QCは組み合わせ最適化が得意理論的にはそうかもしれないが、アルゴリズムの開発も含めて、まだ結論は早計。
4古典コンピュータは巡回セールスマン問題が苦手「NP困難」であるが、古典でも5万都市規模の解が存在。逆にQCが得意かとも言い切れない。
5Gate型は汎用で、量子アニーリングマシン(量子アニーラー)は組合せ最適化専用機で、Gate型が優れている現在のGate型は制限が多くて、汎用機とは言い切れないし、汎用機が常に専用機より優れているとは言えない。
6ゲート型の量子コンピューターもクラウドで提供されるほどであり、もう基礎研究段階ではない。現在は近似的なQCのみ。まだ、初期の段階。
7量子ビットは超伝導回路による実現方式が有望であり、あとはほぼ見込みがない超電導型以外にも幾つもの実装方式、今後の展開による。
8量子コンピューターはショアの因数分解アルゴリズムによって公開鍵暗号を攻撃できるため、いくつかの公開鍵暗号はすでに危険であるその域に達するまで何年、何十年もかかる。
9
量子コンピューターの振る舞いはスパコンでもシミュレーションできない。だから量子コンピューターはすごい。
QCに有利な問題なら、そうかも知れない。
10量子力学は古典力学を上回る。だから量子コンピューターも古典コンピューターを上回るのだ。QCが古典を超える問題の発見と実証に掛かっている。
Qmediaの「量子コンピューターの “よくある誤解” Top10」のまとめ。まとめは筆者による。

StrangeWorksのQCの事実とフィクション

Hurley氏は世界各国の人々とQCに関して話をしており、その300社を超える中から聞いた(聞かれた)フィクションをまとめて述べた。それを以下に述べて、上のQmediaのトップ10と対応させてみた。一番左の列には、上のQmediaの項目に対応する番号を、対応しないものは、StrangeWorks特有のものとして頭にSをつけて番号を振ってみた。結構、重複する部分が少ない。

Qmediaに対応フィクションまとめ(筆者が要約)
S1QCでは重ね合わせを使って、1と0の間の全ての値を取れる全ての値ではなく、入手できるのは1か0の値で、それは確率的
S2QCはQubitの数が多い方が優れているとは限らない、実装の方式にもよるし、全体の性能が重要、平等に比較できる指標が必要。
1QCは全ての解を同時に試すので速い違う
S3QC TeleportationでTime Travelが可能になる。間違い、できない。
S4QCは未来を予測できるできない。
8暗号は破られる現状のQCでは無理。数中年掛かる。本当にやばいのは今暗号を盗んで、QCが完成した後年に破る。現在QC時代に適合した新暗号が開発中。
6QCは実用化可能な状態まだ、数十年掛かる。
2QCは古典コンピュータにとって変わる取って変わらない。今後の展開は得意分野によって異なった形式の計算機を一緒に使用する。
S4Ph.D持ってる人はQCを作れるQCを形成する色々な層を色々な会社が存在してPh.Dなくても製造可能
事実
QCは今までのコンピュータを超える発明。2030年までに到達。現在のアプリを良くするのではなく、完全に置き換えるような使用を考えるべき。
QCはノイズに非常に敏感ノイズを遮る工夫が必要
量子優位性量子優位性は本当にある。適用できる分野を探して適用できるようにするのが必要だ。
量子もつれ量子インターネットにも有益。
Qubitはたくさんの情報を格納できる非常に有益な性質
最終的に現在の暗号を破れる暗号は破られる、改良する、また破られるの繰り返し、現在はNIST主導で新しい暗号化の技術が進んでいる、
分子レベルの動きを解析できる。量子化学・材料化学に役たつ
Hurley氏があげるQCに関するフィクションと事実

古典コンピュータの発展を振り返り、QCはどうなるのだろうか。1958年にJack Kilbyが最初に集積回路を発明した。1963年にこれを利用した最初の古典コンピュータが登場した。Hurley氏は2023年がこの古典コンピュータの1963年に匹敵するものだと信じている。古典コンピュータでの経験やハイブリッドで使用することも含めてQCの発展は古典コンピュータよりもっと早いと言う。また、QCのscalabilityは非常に困難だけど着実に進んでおり2030年までにはその問題も解決するとも言った。

(筆者:この問題は自動エラー訂正ができれば、解決できる問題だ。その自動エラー訂正は2030年には解決するのであれば、確かにそうなる。)

最後に

他にもこのような、事実とフィクションを比較している記事やサイトはあると思うが、一般のQCへの理解はまだまだの様だ。

Hurley氏の講演の中で、1点が印象に残る。「今東京駅に行って200人の人にQCについて聞いたら多分誰も正しく理解してないだろう。専門家の我々が正しく理解して、一般の人々を啓蒙しなければいけない。」そうでなければ、「QCができもしないこと(例えば、未来を予測できる)を、できると宣伝すると、政治家はそれを恐れて、色々な規制をかけてきて、QCの正しい発展と応用の邪魔になる。」悪いツッコミの癖で余計なことをいうなら、「東京駅」より池袋駅、新宿駅、渋谷駅くらいの方が良かったかと。なんとなれば、東京駅丸の内口には大手町の金融街があり、金融街ならQCの金融へ応用の話を知っているかもしれないから。これは、蛇足でした。

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