これからは、QCだ。。。わーい。待てよ、誰がやるんだ?人はいるのか?
最近日本でもかなり量子コンピュータ(QC)の話を聞くことが多くなってきた。どの会社でも、そんなに凄い技術なら、今のうちに足の先でもつけと置かないと、将来競争力を失うということで、早速入門書や簡単なセミナーや展示会に生き始める。そうしたら、あらまあ。。。驚きの連続である。(以下は、筆者の邪推であるが、自分の経験から言ってもさほど間違ってはいまい)。
- 量子ってなんだ?
- 量子力学、はあ?
- 何で、こんなに現実の世界と違う原理で動くんだ?
- なんで、こんなに数式が多いんだ? 行列に、ベクトル、複素数になんで三角関数まででてくる?微分方程式?
でまず、なにをどうしたら良いのか分からない。てなことだろう。
かくいう筆者も一応、電気工学という物理と数学が必修の大学を卒業しているのだが、それから50年近く物理も数学も使っていない。仕方がないので、Webで物理と数学のYoutubeチャンネルをはしご。ちなみに、予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」はお勧めだ。特に、数式なしでもしっかり学ぶ量子力学 は必見だ。
さて、筆者の無駄話はともかく、この最先端の分野であるQCをどうやって攻略するんだ。で、欧米の様子をみてみた。最近でたZdnetの記事でドンピシャの記事があった。Quantum computing skills are hard to find. Here’s how companies are tackling the shortage さてどんな凄い荒業でこの問題を解決しているのか読んでみた。この記事の筆者は英国人で英国のことを主体に書いている。まあ、ある意味失望した。なぜか、あまりにも当たり前のことしか書いてないから。
滅茶苦茶簡単にまとめると。
- QCの分野は難しいので、それを習得して要る人材が極端に少ない。
- 専門家や専門家と言えなくとも、ある程度なんとかなる人材は大学などの教育や(企業や政府関係などの)研究機関にしかいない。つまり、研究を続けたり、様々な社会の分野への応用を可能にしたり、新旧の人材(学校教育も含め)教育や訓練出来る人材が不足している。
- では、企業などで教育と訓練を実施する必要があるのだが、
- 学校に行く年齢の人口で科学分野に進む割合が減少し続けている。
- 既存の社会人をQCが習得できるようにプログラムを組んで教育・訓練できる人材がいるのか。
簡単に解決できる方法はない。簡単に言えば、上の項目3の問題を解決しなければならない。全然分野は違うが、日本における英語教育に似ている。殆ど、どこの大学の入試でも英語だけは必須にしているようだ。しかし、受験のためにわざわざ難解な文章を理解できることがなんの意味があるのかと思う。hearingもできるにこしたことはないが、受験をパスするだけのためのそれにも疑問を感じる。英語教育で必要なのは技術系であるならば、英文の論文が読めて理解できること。また、もう少しいうなら、平易な表現で論文が書けることだろう。いかん、このネタになると変に熱が籠ってしまう。
QCの人材不足を解決するには、2つしかない。
- これからの世代が科学の分野に進みやすいようにすること
- 既存の社会人の中から、教育と訓練でQCが分かる人材を増加していくこと。
1に関しては、政治に大きく頼らねばならないだろう。TVのドラマでもQCの研究者の世界を描いたドラマはみたことがない。どころか、技術系の人間を主役にしたドラマってあったかな。新世代がこの道に入って行きたいと思う方策が必要だ。それには先人の導きも不可欠だから、手本になる人々の存在がいる。2に関しては、実際の社会人でどれだけの人を教育と訓練でQCの世界に送り出せるかは正直考えつかない。それでも、やらないよりは良いかと、高額なセミナーを受講しても結果がでるのだろうか。これには答えを持っていない。
蛇足ながら、技術の情報の発信は少なく見積もっても、英語によるものが日本語によるものの10倍はある。日本語のものは、海外からの情報でも微妙なフィルターで特定のものしか入って来てないような気がする。英語のものは、無料のものが多く、利用しない手はない。それが筆者の上の英語教育に関連する。
どうも、このblogはまとまりがなくうだうだしているので、今日はこれで終わり。