微分方程式と固有値

量子コンピュータのアルゴリズムでは、行列の固有値をもとめるというのがよくでてきます。微分方程式と固有値の間の関係を、簡単な例で確認しておきたいと思います。

変数$t$の関数$y_1(t),y_2(t)$の以下の連立微分方程式を考えます。
$$y_{1}^{\prime}=a y_{1}+b y_{2} $$

$$y_{2}^{\prime}=c y_{1}+d y_{2}$$

を考えます。

$$\boldsymbol{y}=\left(\begin{array}{l}y_{1} \\ y_{2}\end{array}\right)$$

$$A=\left(\begin{array}{ll}a & b \\ c & d \end{array}\right)$$

$\lambda$が、$A$の固有値で、$\boldsymbol{v}=\left(\begin{array}{l}x_{1} \\ x_{2}\end{array}\right)$が、$\lambda$に対する$A$の固有ベクトルであることと、微分方程式、$\boldsymbol{y}^{\prime}=A \boldsymbol{y}$が

$$
\boldsymbol{y}=\left(\begin{array}{c}
x_{1} e^{\lambda t} \\
x_{2} e^{\lambda t}
\end{array}\right)=\left(\begin{array}{l}
x_{1} \\
x_{2}
\end{array}\right) e^{\lambda t}
$$

という解をもつことは同値になります。

したがって、$A$の固有値を、$\lambda_1,\lambda_2$として、それぞれの固有ベクトル$v_1,v_2$が得られたとき、$v_1,v_2$が線形独立、つまり$A$が対角化可能なら、微分方程式の一般解は、次のようになります。

$$y=c_1 v_1e^{\lambda_1 t}+c_2 v_2e^{\lambda_2 t}$$

つまり、固有値を求めるということは、微分方程式を解いていることと同じということになります。